逆転の思想−146        目次
              水道公論2015年6月号


  携帯と各種カード
 先日乗っていた電車が大きな駅に着いて向こうの座席にいた若い女性のグループが降りたとき、シートに携帯を落としているのを見つけた。慌てて拾ったが、何時発車するか分からない急行電車を降りるわけにもいかないところ、幸いのことに駅員がドアの近くにいたので落とし物と言って渡した。たまたま停車時間が長く、気がついた女性が戻ってきたので、駅員に渡したと教えた。
 自分も携帯を電車の中で落としたことがあって、そのときは誰か拾ってくれて、遠くの駅に引き取りに行ったことがあった。落とした場合、不便だけでなく、悪用される心配もしなければならない。携帯はその形状からけっこうポケットなどから落ちやすく何とかしてほしいものである。
 最近携帯にお金の支払いや定期券などいろいろな機能を詰め込むことができるようになっている。携帯で何でもできるようになって便利な一方、忘れたり、落としたりした場合の影響は大きい。自分の携帯は電話以外に使うのはインターネットくらいで、良からぬ人の手に渡った場合でも電話をかけられるくらいであるが、財布機能が付いてると悪用が心配になる。携帯が一度壊れたときがあって、修理期間中同機種を貸してくれたが、様々な機能を使っていると対応も複雑になる。
 一方、どんどん数が増えているのがカードである。免許証、保険証から始まって、鉄道、このへんまでは枚数は多くないが、いくつもあるのが病院の診察券、銀行などのキャッシュカード、クレジットカード、デパートカード、量販電気店カード、航空会社カード、各種販売店や飲食店のポイントカードなど増える一方で、財布と小銭入れに入れるだけ入れて、持ち歩く際に絞っても二つのケースが必要になってきた。こんなに数が増えて皆どうやって管理しているのだろうか。あまり使わないカードは使う時に、ケースを鞄から引っ張り出して、沢山あるカードの中から選ばないといけないので面倒である。また、ケースだと鞄などに入れるしかなく頻繁に忘れることになる。
 カードに関連するがもう一つ増えて困っているのがIDやパスワードである。銀行キャッシュカード、クレジットカード、ホテル予約、旅行予約、通販購入などこちらの方も増えていて、管理が大変になっている。
 特に通信販売は販売者がどんどん増えていて、購入する品目範囲が広がり、便利な大手通販を利用すればいいのだが、独占になってしまうと困るので、できるだけいろいろな通販を利用するようにしていることもあって、IDやパスワード増加の原因になっている。
 パスワードの使い回しは、盗用された場合に被害が大きくなるのでよくないとされるがいちいち変えられないくらい多い状態にある。
 あまり使わないカードやインターネット手続きなど、こっちの方こそ集約化してほしいものである。