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石油の値段が短期間のうちに何倍にもなってそのすぐ後に暴落した。工場操業、輸送など、激しいコスト競争をしている産業の事業運営にとって投機などによるエネルギーコストの不安定さが大問題である。どういう方法を使えば安くなるか身を削る想いで検討をして実施してきたことが一瞬にして吹っ飛んでしまう。一番影響を受けるのが、リサイクルなどの産業であろう。 建設廃材の廃木材のことがある。建て替えにともない発生する建設廃材は、建設リサイクル法(建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律)によってリサイクルが義務化されている。リサイクル対象物質はコンクリート、コンクリート及び鉄から成る建設資材、木材、アスファルト・コンクリートの4品目である。 解体現場から出てきた建設廃材は、リサイクル工場で、コンクリート、プラスチック、木材、石膏ボードなどに分別される。このうち廃木材は破砕機でチップ化され上質なものはチップとして製紙やボードの原料になり、そうでないものは燃料にされる。廃木材を集めて燃焼させその熱を電力生産に用いている工場もある。廃木材の再資源化率は現在2/3程度。廃木材は今後年間7〜800万トンの発生が予測されている。 環境に優しいリサイクル事業であるが、燃料費の大幅変動により大きな影響を受ける。エネルギーコストが高騰すると、ボイラーなどの燃料として引っ張りだこになり、値段も上がるし、また中国に持って行かれてしまう。エネルギーコストが下がると、燃料として見向きもされなくなり、処分に困って、発生場所に近いところでエネルギー回収なしで燃されてしまうことになる。 廃棄物の分別、製品化の工場、発電プラントなどの事業は大きな設備投資が必要であり、また運営費もかかる。処理量が少なすぎると遊んでしまうし、多すぎると受け入れができず、操業が安定していないと倒産してしまう。廃ペットボトルのリサイクル工場をつくったものの、資材高騰で入札の結果皆中国に運ばれて厳しい状況にあったのが、経済不況で国外へ持っていくのが採算悪化したため国内に止まり、倉庫に大量に積みあっがっている話と同じ状況になる。 こういう環境に優しい事業については操業が安定するようなシステムを作らなくてはならない。 冷蔵庫、テレビ、洗濯機、エアコンの家庭電化製品については家電リサイクル法により、有料でリサイクルプラントに持って行かれるようなシステムになっていて、家電リサイクルプラントは一概に安定した操業をしている。 リサイクル産業のような生産と生活を支える産業が安定して事業運営できるような社会にしていかなければならない。 |