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バブルの崩壊から一向に抜け出せない現状から株価もどんどん下がっている。バブルの頃と比べ、土地と株で総額1160兆円の減があったとされる。悪い話ばかり。数字はどうなっているのだろうかと追ってみる。 財務省から国民資産などの統計が発表されていて、インターネットで入手することができる。2000年とその10年前の値がどう変化しているか調べた。表は資産等を実感できるように国民一人当たりにしてある。 一人当たりの総資産と考えて良い国民正味資産では1990年の2867万円が2342万円へと525万円(18%)も減っている。しかし土地をみると771万円(総額で920兆円)もの減額である。土地の価値は価格にかかわらず変わらないとすると国民正味資産は246万円増えたことになる。 資産は家計(個人企業を含む)資産と、非家計(企業、公共団体など)資産とに分けて集計できる。家計正味資産では153万円の減であるが金融資産が1114万(これがよく言われる1400兆円)へ316万円増加しており、土地の減価432万円を考えると279万円増えていることになる。一方非家計資産は土地の減価分程度減っている。これからこの十年において家計部門が実質的に資産増加していると言える。 海外資産である対外純資産は2倍の105万円となっている。なお2001年には140万に急増している。 一方年間輸入額は全量輸入の石油から七割依存の食料ほか全部含めて思いの外少なく32万円である。10年間の資産増246万円だけで、輸出がなくなっても8年は生活していけることになる。 失われた10年というが、世界的に見るとこんなに金持ちでなおかつ資産を増やしてきた国はいないのではないかと思われる。 GNPに対する輸出額の比率は10%で、台湾、韓国の35〜40%よりずっと低い内需主導の国である。輸出を拡大しても影響は少なく、輸入国から非難されるだけである。 最近は失業率の増大に加え、金融資産も減り始めたようで、悪い悪いと言われて縮こまってしまって本当に悪くなってしまっている感がある。 高齢者層に偏在する膨大な預貯金が動き出さないとお金が回らない。国内に投資するものが少ないので海外にお金が出つつある。これは長期的には利子で返ってくるが、国内の景気を良くしない。 昔のお金持ちは、お寺、神社、学校、公共施設に多額の寄進を行い、現在歴史的な遺産として残っている。 現代の富裕層は歴史上最も豊かであるのに、最もけちに見える。 公民館など公共負担で多数建設された現在、歴史的記念施設、文化施設、環境保全施設など、喜んで寄進してもらえる夢がある大計画を作っていく必要を感じる。
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