仙台平野海岸部に新都市をつくって大都市圏都市機能を移そう
                                     
2012.4
1,津波はしばらく来ない
 仙台市宮城区あたりから亘理町あたりまでの仙台平野海岸部は津波による人的、物的被害が甚大でした。しかし、何百年に一度の大津波は過ぎてしまったのです。蓄積された地層のひずみは解放され、遠い将来再びひずみが大きくなるまで長期間の猶予ができました。これまでの歴史から大津波に関して仙台平野は今後4百年は安全と言えます。
 実施が難しくない対処がしっかりできたら、津波は怖くありません。なぜなら大地震と異なり、津波は突然襲いません。地震波が先に来ます。すぐ近くに避難場所があれば気がついたときには手遅れということが防げ、人命の損失は生じません。津波に流されない建物であれば、内装や家具はともかく、構造物はそのまま使えますから復旧は容易です。

2,相対的な安全性
 突然の直下型地震に襲われる可能性のある大都市の0m地帯など、どんな危険な事態になるかわからないはるかに危険な地域に何百万人の人が住んでいます。また大都市圏では交通機関の停止による帰宅難民の措置ですら大変で、その後の食料、水、生活物質の補給など人口が桁違いに多いのと補給路の確保が難しく、大変さは計り知れない難しさのものとなります。

3,都市開発の条件

 仙台平野の低地は、壊滅的な打撃を受け、建物は殆ど滅失しています。地域に住んでいた人にできるだけ戻ってもらうためにも今後何らかの形で急いで復興していかなければならない地域です。この際、日本のおかれた諸条件を考えた最善の計画が必要です。
 仙台平野は都市開発の好条件が揃っています。まず交通の便が非常にいいことです。
 この地域はすぐそばを東北新幹線が走っていて仙台駅も近いですし、仙台空港もそばにあります。また仙台駅から空港まで鉄道ができています。地域を走り津波防御線となった東部道路が東北自動車道とつながっています。

4,どんな都市か

 新都市では、遠い将来に備えて、地域に住んでいた人と新たに住む人のための高層住宅や高層事務所ビルをできるだけ多く配置し、工場、倉庫などは鉄筋コンクリートなど強い構造にして、安心な街にすることが求められます。このことは街をコンパクトシティ化することにつながり、総体の社会費用を低減させる効果があります。

5,まとめ

 冷静に考えると日本の東側はどこも津波のリスクが高いところばかりです。いまや仙台平野は他地域より安全であると言えます。直下型地震により、どんな甚大な人的、物的損失が生ずるか予想が難しい、首都圏や、東海、東南海震災時に津波の足が速い静岡、愛知など、中部圏の都市産業機能を仙台平野に移転させ、危険分散させることが重要です。