高層ビルにおける霧によるヒートアイランド対策
1,概要
 高層ビルは冷房による排熱の他、壁面ガラスの反射、などの点がヒートアイランドを助長する要素として指摘されている。 この高層ビルの特性を利用して対策を行おうというもの。

2,原理
 湿度が高くない状況で水滴はある程度落下すると微細化し、蒸散することが知られている。このことを利用し、高層ビルの最上階などから南面を中心に霧雨くらいのある程度細かい霧を散布し、周辺大気およびビル壁面を冷却するシステムが考えられる。
 霧は落下速度が小さいため滞留時間が長く、その間に蒸散し、周辺空気を冷却する。そうすると空気の比重が重くなり、下降する。この低温下降気流により、ビル壁面をも冷却することができる。
3,利点
 当該霧システムは既存のビルでも取り付けが可能であり、屋上のスペースが利用できる。最上階では壁面に手を入れる必要がない
ただし途中階では設置に工夫が必要

 屋上までの揚水とノズルのエネルギーが必要であるが、高圧を必要とする微細霧ノズルより少ない。
ノズル例
 1l/min(3〜7気圧程度、小サイズ) とすると 60l/時
      これはおおむね120m2の緑化に相当
100本であればおおむね12000m2の緑化に相当。このときの水使用量は6m3/時

4,課題1 どの程度のサイズの霧がいいか
微細霧  すぐ蒸散 ノズルあたりの流量小 エネルギー大
おおまか 相当落下 ノズルあたりの流量大 エネルギー小

5,課題2
 霧の発生は夏場3ヶ月の日照時に限られるので頻度は少ない。ただビル内部からの景観上の課題があり、これには10分運転、10分休止など間欠運転で対処できると考える。